伸縮が生み出す、高い身体能力
プライオメトリックスというトレーニング方法は、
簡単に言うと、使いたい筋肉を、いったん伸ばして（ゆるめて）から使う（ちぢめる）トレーニング方法です。
垂直跳びの時に、いったん屈んでから、ジャンプします。
この時ふとももの筋肉は、屈んだ時に緩んで、その後ジャンプするために縮んで、力を発揮します。伸ばされた筋肉は、ゴムと同じように、縮んで元に戻ろうとします。同時に、筋肉を縮めて、力を発揮しようとします。この「戻る力」と「伸びる」、二つの筋肉の動作を、同時に行う事で、瞬間的に大きな力を発揮させる事ができるのです。
いわば、筋肉の助走と言ったところです。いったん筋肉を縮ませる動作の事を、予備伸張動作と言います。
重い荷物を持つ時などに、いったん力を抜いてから、「よっこらしょ」と持ちあげる事があるかと思いますが、まさしくこれです。
その動作を、より積極的に、とり入れたのが、プライオメトリックスなのです。
神経との連携が生む、運動能力
プライオメトリックスは、筋力の向上と言うよりも、動作の中で、筋肉や神経の連動を強めるトレーニングです。
予備伸張動作の時に、早く筋肉を縮める事で、より強い力を発揮できます。
動作を止めるための減速運動や動作を始めるための加速運動を、できるだけ早く行い、また、それの切り替えを素早くする事で、高い運動能力を得る事ができます。
単純な筋力の問題ではなく、神経と筋肉の連携、連動が重要です。
バイクライディングでは、コーナーの進入、立ち上がりやS字コーナーでの切り返し時の下半身の動作に役立つと思います。
基礎筋力が必要な、中上級者向け。
プライオメトリックスは、筋肉や腱に、瞬間的に大きな力がかかります。そのため身体にかかるストレスも大きく、怪我もしやすいです。筋力トレーニングで、ある程度の基礎筋力を身につけてから、行う必要があります。
より高い運動能力を身につけたい、やや高度なトレーニングです。
